持続可能な金属資源利用には使用総量を1/8に減ずることが必要
:物質・材料研究機構

 (独)物質・材料研究機構は7月6日、持続可能な世界の金属資源使用量レベルの推定結果を発表した。これまでの世界の金属資源消費の将来予測から資源利用のあり方を探った結果、持続可能な資源利用を実現するためには2050年までに天然から採掘する一人当たりの物質総量を現在レベルの年間18tから、その8分の1の約2.3tにする必要があることが分った。
 多様な元素に、それぞれの資源の重みをつけて表す「関与物質総量」という数値に着目した計算によると現在、世界の年間資源使用総量は約220億tで、1990年からの年間増加量は56億tに達している。これから包括的な金属資源の耐用年数(資源余命)を計算すると、1970年代は120年程度だったのが2000年には80年を切るレベルに下がっている。
 現在、一人当たり年間18tの資源利用を8分の1の約2.3t低減するには、物質利用のあり方自体を大きく変える必要がある。そのためには、[1]使わずにすむものは使わない[2]丁寧に、徹底して使う[3]何度も使う[4]あるものを使うの「4つの努力」が必要だとしている。
 この推定結果は、7月9日から英国のロンドンで開かれた「第8回エコマテリアル国際会議」で発表され、10月30日から3日間、石垣島(沖縄)で行われる「持続可能なエネルギーと資源の国際会議」でも議論される。

詳しくはこちら