(独)農業・食品産業技術総合研究機構は9月21日、東京大学、九州大学の研究グループと共同で花粉が飛散しないイネを開発したと発表した。このイネの遺伝子を活用すれば同様のイネを作ることが可能という。
遺伝子組み換えイネの栽培では、花粉の飛散による一般のイネとの交雑が心配されているが、その交雑を防ぐ手段になるのではと期待されている。
イネの花には、花びらに相当する「鱗被(りんぴ)」という器官があり、それが膨らむと花が開き、オシベの先端の花粉が詰まっている「葯(やく)」と呼ばれる部分が露出して花粉がメシベに飛んで受粉が起こり、一部の花粉が風に乗って飛散する。
今回開発されたイネは「台中65号」といい、花が閉じたままの状態で自家受粉する。花粉の詰まっている葯が外気に曝されないので花粉が飛散しないという仕組み。
同機構では、この花粉が飛散しないイネと、その交配種を様々な地域で栽培して安定性を検証していくことにしている。
No.2007-37
2007年9月17日~2007年9月23日