月周回衛星「かぐや」、子衛星の分離に成功
:宇宙航空研究開発機構

 (独)宇宙航空研究開発機構は10月9日、月を回る大きな楕円軌道を飛行している月周回衛星「かぐや」が同日午前9時36分に搭載する2基の子衛星の内の1基を分離し、その子衛星を月周回軌道に乗せることに成功したと発表、同時に「かぐや」搭載のアンテナ監視用カメラで撮影した月面画像3枚を公開した。
 分離に成功した子衛星は、「リレー衛星」と呼ばれ、主衛星の「かぐや」が月の裏側を飛行中に出す電波を地球に中継したり、もう一つの子衛星である「VRAD衛星」や「かぐや」と組んで月の重力分布を調べる。
 一方、公開した3枚の月面画像は、「かぐや」が月楕円軌道を飛行中の10月5日午前2時50分から同3時10分にかけて月面からの距離約1,500km、同1,200km、同800kmから撮影したもの。1,200kmと1,500kmからの画面には、「嵐の大洋」と呼ばれる月の海の部分などが、800kmからの画面には地球から見えない月の裏側の一部などが写っている。
 「かぐや」は、もう一つの「VRAD衛星」を分離後、月からの高度約100kmの観測用円軌道に移り、機器のチェックを行って12月頃から約1年間、15項目の観測を続ける計画。

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「かぐや」搭載のカメラで月面から800kmの距離で撮影した月の画像(提供:宇宙航空研究開発機構)