(独)森林総合研究所は1月25日、2050年の社会を支える森林のあるべき姿を描き、それを実現するために必要な研究開発を示した長期ロードマップ「2050年の森」を作成、ホームページ(http://www.ffpri.affrc.go.jp/index-j.html)に掲載したと発表した。
発表によると、「森林は、長い時間をかけて育成されているため、研究開発においても長期のビジョンが重要である。21世紀の社会は、地球温暖化などの問題を抱えており、森林や木材資源が担う役割はさらに大きくなっている。こうした状況を踏まえて、研究開発の方向性と達成目標をより明確にするため、このロードマップを作成した」としている。
今回作成したロードマップでは、研究・技術開発を、[1]「水を育み国土を守る」、[2]「自然環境との共生を図る」、[3]「資源を循環利用する」、[4]「森林の多面的機能の発揮」の4つの分野に分け、その下に社会ニーズに対応した研究課題を設定し、2050年をゴールとして重点的に取り組む開発課題や要素技術を示している。
各分野の研究課題としては、[1]水資源を保全する、山地災害を防ぐ、[2]森林が地球温暖化を防ぐ、森の生物と共存する、自然とふれあい豊かな心を育む、[3]林業の活力を高める、木材製品の性能を高める、バイオマスを有効に利用する、[4]森の様々な働きを評価し調和を図ること―などを挙げている。また、開発課題や要素技術については、社会のニーズに柔軟に対応し、たえず見直していく方針である。
No.2008-3
2008年1月21日~2008年1月27日