(独)防災科学技術研究所は1月24日、同研究所兵庫耐震工学研究センター(兵庫・三木市)の「実大3次元振動破壊実験施設(E-ディフェンス)」を使って兵庫県と共同で「南海地震」を想定した高層建物の震動実験を行い、報道関係者に公開した。
南海地震は、紀伊半島の熊野灘沖から四国南方沖を震源とする海溝型地震で、30年以内の発生確率が50%程度と予想されている。こうした海溝型巨大地震では、「長周期地震動」と呼ばれるゆっくりした揺れがビルなど高層建物に大きな被害をもたらすのではと心配されている。しかし、長周期地震動の被害については、まだ十分解明されていない。
今回の実験は、長周期地震動が高層ビルに与える影響を調べる目的で行われた。E-ディフェンスの縦20m、横15mの震動台の上に、高さ23mの5階建て鉄骨製試験体を建て、想定される南海地震の際に30階建ての高層ビルで生じる揺れを再現、室内の調度品への影響などを詳しく調べた。
No.2008-3
2008年1月21日~2008年1月27日