(独)産業技術総合研究所は8月28日、サービスに科学的・工学的手法を取り入れ生産性を上げることを目指す「サービス工学の適用実証委託事業」の採択テーマと委託先を発表した。
サービス産業は、雇用においても国内総生産(GDP)においても日本を含む先進諸国の経済の7割を占め、今後さらに増加すると予想されている。しかし、日本のサービス産業の生産性の伸び率は、製造業や国外のサービス産業より低く、その生産性の向上が急務となっている。
産総研の「サービス工学の適用実証委託事業」は、経済産業省から受託したもので、実施事業テーマを公募したところ21件の応募があり、有識者による審査の結果5件の事業の採択が決まった。
サービスにおける科学的・工学的手法とは、サービスの現場を科学的に観測し、得られたデータを分析、その分析結果に基づいてサービスのモデルを再構築して現場に適用する―これを繰り返して生産性を高めるという手法。産総研は、その適用実証の委託事業を進めてサービスの生産性向上に科学的・工学的手法が有効であることを示し、普及を図っていきたいとしている。
採択した5つのテーマと委託先は、[1]無意識かつ非拘束なセンシングによる見守り支援の実現=(株)きんでん、[2]意味的構造化を可能とする動画共有ポータルの開発とサービス情報循環の実証=(株)リオ、[3]医療サービスの改善と安全性向上のための知識循環モデルの適用実証=宮崎大学、[4]生活習慣の継続的モニタリングと行動変容に応じた健康改善サービス=宮城大学、[5]SCIM技術による顧客サービスの最適設計と生産性向上の実証=東京工業大学。
No.2008-33
2008年8月25日~2008年8月31日